チャプター 38

消毒液の匂いが染みついた無機質な病院の廊下に立ち、私は何度も深く息を吸った。たった今起きたことを、どうにか頭の中で整理しようとしていたのだ。

イザベラなんて、ただの甘やかされて育った金持ちのお嬢様だと、ずっと思っていた。しわになったブラウスをなでながら、私は胸の内でそう振り返る。きれいな顔と、ヘンリーの彼女への執着に寄りかかって生きているだけの女――。だが、あの洗面所に閉じ込められていた数分間で、そんな見立ては跡形もなく打ち砕かれた。

あの一件の計算され尽くした性質が、まるで実際の打撃のように私を襲った。絶妙なタイミングで起きたドアの故障。都合よくつながらなくなった携帯の電波。助けが必要な...

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